電子の虜(とりこ)
私の買い物は早い。目的を持って店に行けばすぐに買う。で、そこから悩む。
あの服はこの店が安かった。茶系じゃなく青がよかった。結局使わなかった。など。実に往生際が悪い。
その私が後悔しなかった高い買い物がある。
2011年に買ったiPad(アイパッド)だ。
iPadは、アップルという会社が出す、タブレット型コンピュータだ。
持っている漫画本の処分に困り、裁断してスキャンして、電子書籍にして読もうと思ったのがきっかけだ。
それまでアップルの製品を使ったことが無かった為、事前に評判を調べた。
「パソコンの代わりにはならない」
「出来ることが限られる」
「本を読むならもっと小さいサイズがいい」
など。
良いという意見もあるが、悪いという意見も目立った。
さんざん迷ったが、6万円で購入した。結果的には大満足。
今では本を読む以外にも活用している。
というか、無いと夜も日も開けない。
※朝起きると、身支度を整えつつ、音楽を聴きながらニュースを閲覧。
朝食のテーブルに持って行きゲーム。
職場には持って行かない。無くしたり壊れたら困るから。家で充電タイム。
帰宅後メールチェック。色々な、事件や芸能ニュースのサイトを渡り歩く。
長風呂の私は、湯船に二十分以上浸かっている。今までは漫画や小説を持ち込んでいた。が、どうしても本がふやけてしまうのが悩みの種だった。
iPad登場。
電子機器なので水濡れ厳禁だ。そこで、ジッパー付きの食品保存袋に入れる。密封され、なおかつ袋の上から操作が可能。二十分が二時間でもOKだ。
トイレ。とりあえず持っていく。
就寝。定位置の枕元にセット。寝るぎりぎりまでゲームや読書で過ごす。睡魔に勝てなくなったらその日は終了。
※繰り返し
あえて不満を上げれば私のiPadは64GBしか容量がないということだ。電子書籍にした本は現在で1445冊。98GB。全ての本を収められない。
だが、あと数年でもっと大容量の製品が出るだろう。現時点で後悔はない。
近頃、ネット依存症なる言葉を聞く。ネットをしないと落ち着かない。ネットの無い生活が耐えられない、などの症状があるようだ。
私も心配していたが、ネットに繋がなくても大丈夫な私は依存症ではないようだ。
あー良かった。
-fin-
2016.01
『買い物』をテーマに書いたエッセイです。